こんなかんじ! 



次々とお姉さんが色々な物を出してくれる。
あったらいいな、と思うものが全部揃っている。
すごい・・・とのぞみは内心舌を巻く。
自分達だけでこの異国に来ていたらこうはいかなかっただろう。
慣れない言葉や習慣にただ戸惑うばかりでとても楽しむという余裕などなかったのではないだろうか。

ましてやこのお姉さん、外見とは裏腹に腕っ節もありえないほど強い。
今朝の行動といい、昼間ののぞむとの掛け合いといい最強のボディーガードだ。

部屋の中ではわいわいと皆で賑やかに食事を摂っている。
お姉さん本人もこの旅を楽しんでいるようだ。
その楽しみ方が問題といえば問題だが、逆に大人ぶって先導されるよりもいいのかもしれない。

本当にボク達を楽しませようとしてくれているんだな。

素直にそう思えた。

でも、このかんじって何かに似てるんだけど。

のぞみは首を傾げて皆を眺める。
お姉さんの存在はもう違和感なくとけ込んでいる。
でもちゃんと大人の顔を残していて、必要なものを必要な時にこうして出せる準備をきちんとしている・・・

「ああ!」

突然のぞみが声を上げたので皆が驚いて見る。

「先輩、どうしたんですか?」

「ドラ○もん!」

「はぁ!?」

「さっきから誰かに似てると思ってたんだけど、このかんじ、そうだお姉さん、ドラえ○んに似てるんだ!」

・・・

・・・

静まり返った部屋の中
ぽん、とジャイ○ン…じゃなくて将臣がのぞみの肩を叩く。

「…一緒に日本に帰れないかもしれないぞ」
「え?」

のぞみは、はっ、と己の失言に気づき、さーっと血の気が引く。
お姉さんは固まったまま、まだ動かない。

さて、のぞみの運命は…?



written by sava



「ふふふ…じゃぁ、のぞみくんはの○太くんねv」
「え!?」
「それとも、しず○ちゃんかしら?」
 にぃっこり。
 瞳も口元も三日月にして、お姉さんが言う。
『の○太くん』に笑う譲と譲子。
『しず○ちゃん』に噴出す将臣たち。
「や、その。」
「あらん?違うのかしら♪」
 くすくすと笑うお姉さん。殺気も怒気もないのに冷や汗がでるのは、自分の失言をしっているからか。
 のぞみは青ざめたままお姉さんを見つめた。
「ドラ○もんか〜。どうもあの声変わりに馴染めないのよね〜。」
「声変わりって…」
 譲が苦笑する。
「って、嫌に詳しそうな…」
「アニメは日本の文化でしょ♪」
 くすくすとそのままドラ○もん談義へと移動したので、のぞみはほっと胸をなでおろした。

「意外…っつーか。」
「ん〜?」
 ご機嫌に赤ワインを煽るお姉さんに、臣が不思議そうに言う。
「いや、のぞみがやられるかと思った。」
「違う意味でならやっちゃいたいけどね。」
 どういう意味だよ、と臣がつっこむ。
 君達の年齢ではお話できないことvと答えてお姉さんが言う。
「…それだけ、頼りに思ってくれてるってことでしょ?」
 ぱちんとウィンクされて、のぞみがほんのりと赤くなる。

 一家に一台ドラ○もん。あったらいいなと思うのは、大人も子供も同じわけで。

「光栄です…ってことにしとこうかな♪」
 ま、この貸しはいつかとりたてるけどね〜と続けられ、ほっとしたのぞみは再び青くなるのだった。





written by sou



イラスト sava  文 sava&総 
2007.02.21-22日記 こんなかんじ! ドラ○もーん 加筆修正