あなたがあまりに美しいから



赤と黒
鮮やかなコントラストの中に浮かぶ一人の美女
その口元に浮かぶかすかな笑みは 清廉であり 妖艶である
かなたに向けれられた眼差しは 深遠であり 鮮鋭である


「…………」
「譲?どうしたんだ?」
仮刷りのポスターをじっと見つめる譲に、譲子が不思議そうに言った。
「…なんで…」
「?」
「なんで、こんなに色っぽいの!?」
男の人なのにぃ〜と譲が嘆く。
「うう。のぞみくんが綺麗なのは知ってたけれど…こんなにも…」
男の人にも負けた、と落ち込む譲であった。


「何も言わないのか?」
「言ったところで信じないから時間の無駄。」
将の言葉に、譲子が切って捨てるように言う。
「…珍しいな…。ああ、もしかしてお前も機嫌が悪いのか。」
にやりと将が笑う。
「きれいなのぞみくんを、ポスターに使われて。」
「………」
無言で兄の頭を殴る譲子であった。





「先輩」
「ゆ、譲子ちゃん!?どうしたの!?」
ぎゅうっと抱きつく譲子。赤くなってうろたえまくるのぞみ。
「何でも有りません」
それでも離れない譲子。
「え…っと、大丈夫?」
なんとなく、譲子が不安がっているのを感じてそっと頭をなでるのぞみ。


「………なんであそこで抱きしめないんだよ。ゾミは。」
「せっかくのチャンスだってのにな。」
「へたれだからな。」





「先輩…」
「ゆずちゃん?どうしたんだい?」
じっとのぞむを見つめる譲。不思議そうに見つめ返すのぞむ。
「あ、いえ…。先輩も、お化粧したらあんな風になるのかなぁって…」
綺麗すぎる…と悲しげにため息をもらす譲。
「ゆずちゃんのほうが綺麗だよv」
すかさず肩を抱き寄せ頬にキスをするのぞみ。真っ赤になって、それでも首を振る譲。


「セクハラ…」
「っつても、そこまでしかやれねぇけどな。」
「隠れへたれだからな。」





イラスト sava  文 総 2006.09.29日記 
東西一の美女、あなたがあまりに美しいから 加筆修正