狂い咲き
その姿はまるで、全てを呑みこむほどに
美しく、激しく、散り乱れる桜のようだった
二人が、二人だけで戦う姿は、美しくも、恐ろしい
人の心の奥底から、狂わせ、壊していく
早く 速く と 散り急いで
優しい緑が現れるのを望む
どうか
その瞳に 安らぎの緑を映して
狂気にのみこまれるまえに…
「俺に勝てると思ってんのか?」
「ボクは君を許す訳にはいかない。」
どうか
この狂気が狂喜に変わる前に
その優しい緑を この瞳の奥まで満たして欲しい
written by sou
喧嘩の理由
のぞみのおやつを食べちゃったのぞむ。
「楽しみにしてたのにひどいよ、のぞむ君」
「うるせえ!イチゴ大福の1つや2つでがたがた言うな!」
「5つはあったのに・・・譲子ちゃん特製の・・・」
がっ。のぞみは木刀をつかんだ!
「のぞむ!表出ろ!」
「おう!返り討ちにしてやる」
たぶんこんなくだらない理由かと。
のぞみはきっとすごい甘党。麦茶に砂糖入れてのぞむに嫌がられるんだ、きっと。んで、また喧嘩(笑)
written by sava
喧嘩の行方
「先輩!」
譲子の呼び声で、ようやく二人の子供じみた理由の真剣勝負が止まった。
「譲子ちゃん、譲ちゃんも…」
「ごめんなさい、のぞみくん。」
「?」
「イチゴ大福、最後の一つたべちゃったの、私なんです。」
「え?」
「ゆずのせいじゃない。のぞむ兄さんが4つも食べるのが悪い。」
譲子がじろりとのぞむを睨む。
「私が、譲に食べて見てっていったんですよ。人数分はありましたから。」
譲に食べてもらって、冷静な感想を聞きたかったのだ。
何しろのぞみは何を作ってもおいしいとしかいわないから。
本当においしいのか、不安になる乙女心。
傍から見れば、ただのバカップルだが。
とにかく、のぞみのために譲子が作ったイチゴ大福を食べてしまった譲は、困った顔でのぞみに頭をさげた。
「ごめんなさい。」
「あ、いや。」
のぞむ相手にマジギレしたものの、譲相手に怒ることなどできるわけが無い。
のぞみは苦笑していった。
「しかたないよ。のぞむくんが食べたの、しらなかったんでしょ?」
「でも…」
譲子が作ったものでなければ、のぞみもここまで怒らなかったし、譲もここまで落ち込まなかっただろう。
「ゆず、バツとして、のぞむ兄さんに1週間ほど何も作るな。」
「え?」
「げっ!ちょっと待て譲子!」
「当然だろう?まったく自分の分はあるくせに、人の分まで食べて。」
「いや、だけど。」
さしもののぞむも、譲子には甘い。のぞみ相手のように切って捨てることが出来ずにうろたえた。
「のぞみくん、これ。」
「譲ちゃん?」
「譲子のには敵わないと思うけど。草もちの大福。」
渡されたお重を開けて見れば綺麗な緑色の大福が並んでいた。
「譲子と食べてね。」
「うん。ありがとう、譲ちゃん。」
のぞみが嬉しそうに笑う。とうてい一人、いや二人でも食べ切れなさそうな量の大福だが、のぞみは平気で食べてしまうだろう。
のぞみはすごい甘党で、麦茶にまで砂糖を入れるほど。
それを嫌がったのぞむと喧嘩になることもあるくらいだが、一人で4つも食べるのぞむも、かなりの甘党ではないだろうか。
のんびりとした雰囲気の二人の隣で、口論が続く。
「せめて3日にしろ!」
「一週間くらい、耐えろよ!」
「無理!」
お仕置きを値切るのぞむに、譲子は呆れ、譲は苦笑した。
のぞみはとりあえず機嫌をなおしたようで、人数分のお茶を入れている。
「二人とも、のどかわいたでしょ。お茶にしよう。」
「ああ。」
「はい。って、のぞむ兄さん!まだ食べる気かっ!」
譲子の怒声は止まらない…
written by sou
イラスト sava 文 sava & 総 2006.10.20-21日記
凶気の桜、狂い咲き、きっと、喧嘩の行方 加筆修正