ゴミの落ちた先
ひゅーどすん!
「ああ?何かテントに落ちてきやがったぜ」
「うっ!」
のぞみは急に背筋に寒いものを感じた。
くるくるくる、すたっ!
2階の窓から蹴落とされた有害ゴミは本部のテントに落ち、その跳ね返りを利用して器用に地面に着地した。
その、まるでアクションスターのような見事なスタントに行き交う人々が思わず拍手した。
「ふう・・・ゴミが自分から帰ってきましたか・・・」
「重衡さん?」
重衡にゴミと言われた男はこちらを一瞥したかと思うとにやりと、まるで獲物を見つけた肉食獣のように笑った。
「らっきー、とはこういう事を言うのか・・・?」
「ごめん譲子ちゃんボクと一緒にいると君まで巻き込む!重衡さん、将臣君、あとはまかせたよ!」
不思議そうに小首をかしげる譲子をその場に残してのぞみがダッシュで走り去った。
「ええっ?先輩っ?」
「おう!のぞみ、いいから早く逃げろ!!」
「・・・ああ、そういえば兄上はのぞみ君にご執心でしたね」
100m10秒を誇る俊足ののぞみ。
しかしゴミといわれた謎の男は事も無げにのぞみに追いつくと、
併走しながら束ねた髪をさらりとすくい耳元でささやく。
「相変わらずつれないお嬢さんだな・・・」
ずぞぞぞぞぞ
のぞみの背中を悪寒が走り回る。思わず足が止まってしまい、のぞみの体勢が崩れかける。
その隙を逃さず、男はのぞみの腰を引き寄せて顎を捉え、顔を近づける。
「知盛・・・!ボクは男だって何回言ったら分かるんだ!」
「くっ・・・そんなに警戒しなくても獲って食いやしない・・・お前に会いたくて来たというのに・・・もう少し嬉しそうな顔をしたらどうだ?」
「人の話を聞けってば!!」
written by sava
白虎召喚!へ続く
イラスト & 文 sava 2006.10.26日記
ゴミの落ちた先 加筆修正