文化祭に白虎出現!?



文化祭に遊びに来たcafe「far awey」のオーナーズと朔。
校門の前で白い虎が暴れていると聞きつけ猛ダッシュで現場に向かう。
「ちょっと白龍!四神達は留守番させてきたんじゃなかったの!?」
「そのはずなんだけど・・・」
「うーん、まずかったかな。皆来たがっていたからもしかしたらこっそりついてきてしまった子がいたのかも・・・」
「ああ、もう!こんな昼間の人だかりに白虎が現れたら大騒ぎになるに決まってます!」
「そうなのか?」
「もう!!いいかげん貴方達もこちらの生活に慣れたと思っていたのに〜」
校門にやっと3人がたどり着くとやはりそこには人だかりができていた。
もしや、白虎が人を襲ってしまったのでは、と悪い予感がよぎる。人垣をかきわけて中心へと進むとそこには・・・

しくしくとうらめしそうに泣いている白虎の姿があった。

精神的にはげしくずっこける3人。
白虎を取りかこんだ人達も、肩をおとす猛獣をなぐさめたらよいのか、取り押さえたらいいのか
どうしていいのか分からず遠巻きに見つめるだけだった。
「白虎!!」
白虎は白龍の声を聞いたとたんに白龍めがけて飛びつき「うおおおおおん」と大泣きした。
「淋しかったの?ごめんね置いていってしまって。でもおみやげを買って帰るって約束をしたのに・・・」
「うおおおおん」
完全に2人の世界。周りは唖然と成り行きを見守っている。その中から背の高い男が黒龍達に近づいてきた。
「俺はこの学園の理事長をしている者だが、お前達はあの虎の飼い主か?どういうことだ。なぜあんな危険な動物を飼っている?ここに何故つれてきたんだ」
「ど、どうやってごまかそう・・・」
「仕方ありません。あれだけはやりたくなかったのですが緊急事態ですわ。兄上考案の必殺技を試すときがきたようです」
「いきますわよ。龍神マジカルチェンジ!!メイクアップ!」
きらきらきら〜
朔はマジシャンに変身した!
「な、なんだお前のその格好は・・・!」
朔の露になった太ももや、露出した腕にうろたえる理事長。
その隙を見逃さずここぞとばかりに嫣然と微笑む朔。
「実は私達は流しのマジシャンなんです。今日の文化祭に呼ばれて参りましたの。この虎は今日の演目に使う子ですわ」
「そ、そうなのか?し、しかし俺は聞いていないぞ」
「ああ、それならば将臣が言い忘れたのでしょう。ね、将臣」
生徒会長である将臣が人ごみの中にいるのを目ざとく見つけた黒龍が言った。
(オーナー!この騒ぎの元凶はアンタか!!)
(臣、よろしくお願いしますよ)
目で会話する2人。しばらくそのまま火花が出るほど見つめあっていたが、
根負けしたらしく先に臣が視線をそらし、ぼりぼりと頭をかく。
そして、ふー、とため息を漏らしながら臣が九郎に言った。
「・・・悪ぃな、九郎。言い忘れてた。生徒会の出し物に協力してもらう約束だったんだ。でも虎が来るとは俺も聞いてなかったがな」
「そうなのか?」
(オーナー、いくらなんでも虎はまずいだろ・・・そんなもん持ち込まれた日には文化祭がパニックになるぜ)
(はいはい。わかっておりますよ)
「では、虎でなければよろしいですか?・・・たとえば猫とか」
「猫ならば・・・まあ、許容範囲だが、しかしこれは虎ではないか!」
「さあどうでしょう・・・では、ご覧いただきましょう奇跡の龍神マジックを・・・」
ごくっ、その場にいた全員が何が起こるかと息を飲んだ。

「「てじにゃーにゃ!!」」

ずこここっ

どこかで聞いたような掛け声とポーズに、その場にいた全員がこけた。
が、ぱあああっと一瞬光ったかと思うと、目の前にいたはずの虎が消え、代わりに一匹の白い猫が現れた。
「こ、これは・・・」
「すげえ!どうやったんだ!?」
わーっと拍手が起こる。歓声に微笑みを返しながら黒龍がひょいと足元の猫を抱き上げる。
「これでよろしいのでしょう?」
「う・・・うむ。しかし・・・さっきの虎はどこへ消えたのだ」
「はい。ですからこの子が虎から猫へ変わっただけですよ」
「そんなバカな」
(本当のことなんですけどね)
「では、準備もありますので会場へ入らせていただきますが・・・理事長様、お騒がせして申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げる黒龍に九郎もあわてて威儀を正して言う。
「いや・・・まあ虎には驚いたが・・・いいものを見せていただいた。今日は当学園の文化祭に来ていただき感謝する。どうぞ演目が終わった後もゆっくり見て回ってくれ」
「はい。ありがとうございます。では、朔、白龍、行こうか」
(臣、謝謝)
(ああ、時給UPしてくれよな)
目で礼を言う黒龍に、将臣が片手を面倒くさそうに振って応えた。
「・・・ああ。どうなる事かと思いましたわ。実は兄上のこんな技で誤魔化せるとは思ってなかったんですけど」
胸をなでおろしながら朔が言った。
「いや、なかなか似合ってるよ、朔」
「え、えええっ、きゃああっ。私まだこの格好のままでしたわ!!」
「ずっとそのままでいいのに、ねぇタマ」
「にゃ〜」
「もう〜白龍と白虎まで!帰りにはお土産買って帰らないとのこりの3匹があばれますわね。さあ何を買っていきましょうか」
(それにしてもあの理事長もいい「気」を持っていましたね。将臣達と理事長の文化祭なら成功間違いなしでしょうね)
黒龍は楽しそうに祭の様子を眺めていた






イラスト&文 sava  2006.10.08
文化祭に白虎出現!? 加筆訂正