クリスマスの準備
東高校、昼休み。
将臣&のぞみは昼食も食べ終わり、仲良くだらだらと歩きながらだべっております。
「ねぇ将臣君、今年のクリスマスはどうする?」
「そうだな…イブが日曜なんだよな。バイトその日ちょうど休みなんだよ」
「じゃあまたお店でも借りて皆でパーティでもする?去年と同じお店でいいかな。あそこわりと良かったよね?」
「いや…まて、のぞみ。この会話は危険だ」
「え?そういえば何だかこの場所も…」
校舎をつなぐ渡り廊下。12月にしては天候の悪い日が続き今日もしとしとと雨が降っている。
そしてお約束のように向こうから歩いてくるのは将臣の妹の譲子。
「先輩…と、兄さん」
ぎくり、と足を止める譲子。
「何だかこのシュチュエーションって…」
「何かを思いださねえか?」
「やな事言うなよ…」
「見つけた…」
「「「えっ!?」」」
声のするほうを振り向けばそこには…
「「「う゛わああああ!!!白龍!!」」」
背の高い長髪の男が雨に濡れながら立っていた。
「頼む!異世界の扉を開くな!俺は17から年を取りたくねえ!」
「お願い!いきなりここを川にしないで!又怨霊と闘うのやだ!」
「…また、死ぬの?ボク」
皆混乱しています(笑)
「ええと?何のこと?私はただこれを渡しにきたんだけど…」
「「「えっ!?」」」
白龍がカードを指しだす。
「皆に渡して来いって黒龍が。”淫靡テンション”っていうの?」
「インビテーョンだっつの!!どんな漢字変換だよ…」
がさがさとカードを開く将臣達。譲子は白龍の髪をハンカチで拭いてあげてます。
「あれ?クリスマスパーティのご招待?」
「え?その日は far awey 休みなんだろ?」
「そう。黒龍がね、皆で集まってパーティしたいからって店休むんだって」
「ええ〜何だかもったいないね。クリスマスなんていったらカフェのかきいれ時なのに」
「ううん。それじゃ何の為にお店やってるかわからないって。大事な人とゆっくり過ごせないような仕事はしたくないんだって」
「あ、ああ〜何か解るぜ。オーナーが言いそうなことだ」
「でもそれこそ、私達なんかを招待していいのか?家族と過ごすとかしたほうがいいんじゃない?」
「私達の家族は君達だよ?」
「…白龍」
「黒龍もそう思ってる。だから是非来てほしいんだけど…迷惑?」
「ううん。そう言ってもらえるとうれしいよ。ね?将臣君?」
「まあ、な…どうする?譲子」
「お邪魔じゃなければ…こちらこそ、ぜひ」
「ああ、よかった。じゃあこれから臣達の所にも行って来るね」
「あいつらも来るのか。…まあそうだろうな」
「それでは、また」
白龍はまた雨の中をふわりふわりと帰っていった。
「相変わらず、だね」
「全く…心臓に悪い」
「何か思い出しそうになったよね」(笑)
「ま、それがあいつらしい、か」
「これでクリスマスの予定は決まったね。良かったじゃない」
「じゃあ、手土産に何か作ろうかな…譲と相談しないとな」
クリスマスまで、あともうすこし。
written by sava
招待状
西高校 休憩時間
「望。」
「なんだ?」
「今年のクリスマス、どうする?」
「ん〜、ミニスカサンタギャル?」
「…誰がコスプレの話をした。」
望の答えに、将臣があきれていった。
「え〜?だって、似合うと思うよ。譲ちゃん、めったにスカートはかないから。プレゼントなら、着てくれるだろう?」
「そりゃ、そうだが。うちはイメクラじゃねぇぞ。ってまて、のぞむ。この会話はやばくねぇか。」
「………やなこと、思い出しそうな、いや、思い出すのとは違うな…。デジャブが…」
二人が顔を上げれば、渡り廊下の向こうから譲が歩いてくる。
「譲ちゃん。」
「先輩、兄さん。」
「よ、譲。」
手を上げる将臣が心なしか引きつっている。
「………何か、これって…」
「覚えがあるような…」
「気のせい…じゃ、ないですよね…。」
「見つけた…。」
「うわぁっ!」
雨の中から聞こえた言葉に、三人はいっせいに叫んだ。
「「「葉陰絶明!!」」」
「水が足りないだろうがっ!!」
うっかり混乱付与されそうになり、黒龍がさけんだ。
「はっ。」
「つい…。」
「水なら、お前の後ろにいるぞ。」
のぞむの言葉に黒龍が振り向けば、朔が立っていた。
「いやね、のぞむ。私が黒龍への攻撃に参加するとでも?」
「ノリが悪いな。」
「ノリで消滅させられてはたまりませんよ。」
黒龍が小さくため息をついた。
「で、何の用だよ。」
二人そろって…とのぞむがぼやく。
「これを渡しに来たのよ。」
朔が差し出したのは、3通のカード。
がさがさと開けばクリスマスパーティーのご招待。
「…って、この日はfar aweyは休みだろ?」
臣が不思議そうに言う。
「もちろん。家族でゆっくりすごすために休みにしたんですから。」
にこりと笑う黒龍に、譲が不思議そうに言う。
「え…。じゃぁ私たちを招待してよかったんですか?」
「あなたたちは、私たちにとって家族のようなものだから。」
朔がにこりと笑う。
「良ければきてくれないか?」
黒龍も穏やかに微笑ん言う。
その言葉に3人は顔を見合わせ、三者三様に答えた。
「喜んで。」
「どうせ、皆でパーティーするつもりだったからな。」
「譲ちゃんがいるなら、どこでもいいよ。」
返事を聞いて、黒龍と朔は微苦笑した。
「それはよかった。東高へは白龍が行ってくれたから。」
「あっちもくるのか。」
「だろうな。」
「最初は白龍がこちらへも来る予定だったんだけどね。
私たちがこちらのほうへ用事が出来たから代わりに来たんだ。
…白龍を来させなくて正解だったな。」
先ほどの叫びを思い出し、黒龍が呟いた。
「ごめんなさい。驚いて…」
「根に持つなよ。」
「雨の中、気配も無く行き成り現れるほうが悪い。」
これまた三者三様に答えた。
「では、また。」
そう言って、黒龍と朔は寄り添うようにして帰っていった。
「ったく、やな事思い出した気分だぜ。」
「うっかり変なこと口走っちゃったな…。」
「ってか、あいつらさらりと流したよな。」
のぞむが冷や汗をぬぐい、譲が顔を赤くして呟き、臣が訝しんで呟いた。
「ま、もともと浮世離れした連中だから、かまわねぇか。」
「今年のクリスマスは一段とにぎやかになりそうだな。」
「先輩、兄さん、お店では、じゃれあいを控えてくださいね。」
クリスマスは、もう目の前。
written by sou
イラスト sava 文 sava & 総 2006.12.01&09.15日記
クリスマスの準備 雨の呼び声(違) 加筆修正