boy meet girl in another ver.
「あれ、譲子。珍しいな、そんな髪型。」
「え?」
緑の髪が振り向いて赤い髪を見つめれば、互いにしばし固まる。
「えっと…男の子…だよね。」
「………まぁ。」
「ごめんなさいっ!知り合いの娘にそっくりだったから!」
「いや。(女…だよな。譲子より少年的だけど)」
「そういえば、譲子って言ってたけど、譲子の知り合いか?」
「友人だよ。譲子を知ってるのかい?親戚か、何かか?」
「あたり。従姉妹だよ。」
「へぇ。なるほど可愛らしいはすだね。」
「譲子に似て?」
譲がいたずらっぽく笑うのを見て、返事につまるヒノエ。
「だったら、まだまだ、かな。」
「は?」
「のぞみくんなら、後姿でも間違えないよ。」
くすり。
まるで全てを見通したような笑み。
「耳が痛いな。精進するよ。」
ヒノエが肩をすくめてみせれば、譲が笑い出した。
「あはは。うん。君はいい人だね。」
「はぁ?」
ヒノエが怪訝そうに譲を見る。
「そういうと、大抵の人は怒るか、でなければ、行き成り私を口説き始めるからね。」
「は!?」
「のぞみくんに敵わないって思うのは勝手だけど、私を代用にするのはやめて欲しいな。」
そういうことかよ。
ヒノエは呆れた。目の前の少女にではなく、その男たちに。
「私に譲子を求められても困るよ。あんなに可愛くはなれない。」
苦笑というよりは自嘲。ヒノエは首を傾げる。
「あんたは、十分愛らしいと思うよ。」
「ありがとう。でも、気を使わなくてもいいよ。自分が男みたいなのは理解してるから。君だって、最初は悩んだだろう?」
その言葉に、ヒノエは眼を見開く。
「………自覚なしなのは、譲子といい勝負だな。」
「え?」
「あんたは十分綺麗で魅力的な花だよ。ただ、譲子とは咲き方が違うだけだ。」
「咲き方…?」
「ああ。譲子の花は柔らかな芍薬のよう。あんたの花は凛とした桔梗のようだ。どちらがより美しいかなんて、人それぞれだろう?」
その言葉に、眼をしばたかせていた譲だが、やがてほんのりと頬をそめた。
「ありがとう。」
連れに呼ばれて譲が立ち去った後、ヒノエは別れ際の譲の笑みを思い出して思わず赤くなった。
「十分、可愛いじゃん。」
彼女を口説く男たちは、代用ばかりではないんだろうな。
「ま、オレは譲子だけど。」
ヒノエがひとりごちた。
文 総 2006.09.25日記文加筆修正