ナンパの条件

西の譲と東の望(のぞみ) 二人は父親と母親が兄妹の従兄妹

「のぞみくん」
「譲ちゃん。またせちゃった?」
「ううん、さっき来たところだから」
にこにこと微笑みあう様はどちらも愛らしい。
ゆえに、道を歩けばナンパにあたる…のだが。

「彼女たち、かわいいね。俺らと一緒に遊ばない?」
「…僕は男ですけど」
「はっ?」
「じゃぁ」

「君たち、かっこいいよv お茶しない?お姉さんたち、おごっちゃうv」
「…私、女ですけど」
「え…?………ぜんぜんオッケー!」
「あの…」

「「はぁ〜〜〜」」
コーヒースタンドに入った二人は深い深いため息をついた。
「うう、ごめんね譲ちゃん。僕が女みたいだから、ナンパにひっかかって」
「そんなことないですよ。私のほうこそ男みたいだから…逆ナンされちゃうし」
「譲ちゃんはかわいいよ? だからナンパが寄ってくるんだよ」
「のぞみくんだってかっこいいよ。お姉さんたち、しつこかったもん」
二人は互いに言い合っていたが、やがて顔を見合わせて笑い出した。
「ふふ、おかしい」
「だね。」
「でも…不思議なことに春日…ノゾム先輩と出かけると、逆ナンされないんですよね」
先輩もかっこいいんだけど。
「そういえば…ぼくも譲子ちゃんとだと、ナンパされないなぁ」
譲子ちゃんだって可愛いのに…。
「なんででしょうね」
「なんでだろう」

答え:バカップルオーラがすさまじいから







西の望(のぞむ) 東の譲子 二人は義理のまた従兄妹 分かりやすく言えば他人。

「望兄」
「譲子」
「何、暗雲を背負ってるんだ?」
「…ゆずちゃんが…でかけた」
「…それくらい、いいじゃないか」
「のぞみと、だぞ」
望が深いため息をついた。
「あれが一緒だと、ナンパ男が倍増するんだよ。あの二人で無事ナンパを退けられるか…心配で心配で…」
「……あ〜」
(ごめんなさい、先輩。否定できない)
譲子は心の中で呟いた。
「あああ、やっぱり無理にでも付いていくべきだった」
「…なんで、ついていかなかったのさ」
「ゆずちゃんに、止められた」
…ほんっとうに、譲には弱いんだな。
譲子が、あきれつつ望を見つめる。望の表情が徐々に険しく…というより含みがはいった。
「う〜〜」
「…のぞむさん。先輩をいじめないでくださいよ」
「…チッ」
望、八つ当たり計画中(笑)
「先輩に何かしたら、譲にいろいろバラしますよ」
「バラされて困るようなことは無い。てか、それでどうこうなるくらいなら、苦労しない」
譲子も望も深いため息をもらした。
「まぁ…譲子が泣くから、やめておくよ」
望ががしがしと譲子の頭をなでた。





文 総 (2006.09.16「ナンパの条件」&17「遠くの親戚より近くの他人?」10月加筆修正)