La vie en Rose

髪を下ろしてピンをつけて
繊細な細工にドキドキする

先輩がこちらを見て
嬉しそうに目を眇めた

その笑みがなんだかいつもと違って見えて

ねぇ、先輩

この花が作られている
淡いばら色の石が持つ
その言葉を 意味を 知っているの?

まるで貴方の髪の色を移したような 優しい色

La vie en Rose
  貴方と薔薇色の人生を

貴方が居れば
  全てが薔薇色に変わる






「意外だな。」
「のぞむくん?」
「お前が、あんな大胆なまねをするとはね。」
のぞむがにやりと笑えば、のぞみは首をかしげた。
「何のこと?」
「譲子に、髪飾りを渡したんだろ?」
「うん。それが?」
不思議そうに言うのぞみに、のぞむが呆れた顔をした。
「…知らずに渡したのか?」
「何が?」
「あのピン。」
「…何か、あるの?」
不安そうにいうのぞみに、のぞむがため息をついた。
「のぞむくん!」
「やれやれ、譲子も大変だな。」
あせるのぞみの質問には答えず、のぞむはのぞみの肩をつかんでその顔を睨みつけた。
「鈍すぎるってのも、時には残酷だぜ。譲子を泣かせんなよ。」
その時は、兄として黙っちゃ居ないからな。
のぞむはそう言い置いて、その場から立ち去った。
「…言われるまでも、ないよ」
残されたのぞみがぽつりと呟いた。
のぞむに向かってそう即答できなかった自分が、不甲斐無くて、悔しかった。





イラストsava 文 総  2006.09.22日記 加筆修正